ITパスポートの次に取るべき上位資格と学習するときのポイントを解説
多くの人がキャリアアップを目指し、ITパスポートの取得に挑戦しています。しかし、その後の行動については不安や疑問を感じている方も多いです。
この記事では、ITパスポート取得後のキャリアパスや上位IT資格について解説します。具体的な資格名だけでなく細かい学習方法まで伝授しますので、最後までご覧ください。この記事を読めば、資格取得後のステップアップの方向性がわかります。
ITパスポート取得後のキャリアパス
ITパスポート取得後のキャリアパスを考えるときは、資格が専門性やキャリアアップにどう役立つか理解するのが重要です。ITパスポートはIT業界での基礎知識を証明するエントリーレベルの資格です。ITパスポートを基点に上位資格を目指すのが一般的な進路となっています。
» ITパスポート試験の難易度
自分が目指すキャリアには、本当に上位を目指す必要性があるのかを考えましょう。具体的にはITパスポートだけでは不十分なケースが挙げられます。ITパスポート自体は初級レベルなので、専門職を目指す人の場合は不十分と言えるでしょう。必要性を認識したうえで、ステップアップするための勉強を始めるべきです。
ITパスポートの上位資格
ITパスポートを取得した後のキャリアアップには、上位のIT資格獲得が重要なステップとなります。代表的なITパスポートの上位資格は以下の3つです。
- 情報セキュリティマネジメント試験
- 基本情報技術者試験
- 応用情報技術者試験
情報セキュリティマネジメント試験
情報セキュリティマネジメント試験は、情報セキュリティに関する基礎知識と管理技術を学ぶ資格試験です。平成28年から創設された比較的新しい試験でもあります。情報セキュリティマネジメント試験では以下のような知識が問われます。
- サイバー攻撃手法
- インシデント管理
- 不正アクセス禁止法
上記に記載したのは試験範囲のごく一部ですが、情報セキュリティに関する管理や対策などが全般的に出題されます。ITパスポートと内容が被る部分もあるため、次に資格取得をする試験として最適です。
試験は科目が2つに分かれています。科目Aは4択の問題が60問で120分です。科目Bは多肢選択式ですが、その他の条件は同じです。合格には1,000点満点中600点が必要な点で、ITパスポートと共通しています。
IT化が進む現代においてはサイバー攻撃なども巧妙化しているため、社会全体にとっても重要な知識です。ステップアップして、役立つ人材になる足がかりにしたい方におすすめです。
基本情報技術者試験
基本情報技術者試験は、情報処理推進機構(IPA)によって実施される国家試験です。ITを活用したシステムやソフトウェアを作りたい人で基本的な知識がある人の受験が推奨されています。ITエンジニアとしてキャリアをスタートするには、まず基本情報技術者試験から受験するのがおすすめです。
» 基本情報技術者試験の難易度
試験は科目が2つに分かれています。科目Aは4択の問題が60問で90分、科目Bは多肢選択式の問題が20問で100分に設定されています。情報セキュリティマネジメント試験の次に目指す資格として最適です。情報技術について、しっかりとした基礎を身につけられれば、その後の応用力の幅が格段に広がります。
ITパスポートよりも専門的な内容を扱うため、難易度が高いです。しかし、キャリアアップや専門職へのステップアップに大いに役立ちます。ITパスポートを取得した後に、さらなる専門知識を身につけたいと考える人におすすめです。
» ITパスポートと基本情報技術者試験の違い
応用情報技術者試験
応用情報技術者試験は、情報技術の応用力を問われる難易度の高いの国家試験です。情報処理推進機構により実施され、筆記により4月と10月の年2回の試験が実施されます。
応用情報技術者試験では、情報システムの設計・開発やプロジェクト管理など、実務に即した問題がメイン。合格すれば基本情報技術者試験よりさらに上位のIT職への道が開かれます。
かなり専門的な内容も多いため、IT職で必要とする人材需要が大きいです。より高度な情報処理技術者試験への挑戦も可能になり、キャリアアップにつながる資格と言えるでしょう。
試験内容は午前の4択問題と午後の記述式に分かれています。午前の出題数は80問で150分、午後のみ11問より5問選択して150分のうちに回答する形式を採用しています。
» 応用情報技術者試験を徹底解説!
ITスキルアップのための学習法
ITスキルをアップさせる具体的な学習法は以下のとおりです。
- 学習プランを立てる
- オンライン学習を活用する
- 実践的なスキルを身につける
学習プランを立てる
ITスキルを向上させるためには、効果的な学習プランを立てる必要があります。今の知識レベルを把握し、目標の具体的な設定から始めるべきです。適切なプランによって無駄な時間がなくなり、効率的な学習が実現可能になります。
具体的には、週単位や月単位の学習スケジュールを作成して、達成に必要な目標時間を定める方法が挙げられます。学習が順調に達成できているか可視化でき、つまづいた学習内容の優先順位も決定可能です。限られた時間でも効率良く学習を進められるのが良い点です。
柔軟に対応するためには、プランを定期的にアップデートし、必要に応じて調整するのが必須。思った通りに実行できるケースは少ないです。進捗を追って、目標達成度に基づいて学習プランを再調整すれば、常に最良の学習方法を継続できます。
オンライン学習を活用する
オンライン学習リソースを上手に活用できると、ITスキルを向上しやすいです。オンラインにはさまざまな学習プラットフォームが存在しています。具体的なプラットフォームには以下のようなものが挙げられます。
- Udemy(ユーデミー)
- Coursera(コーセラ)
- edX(エデックス)
- ハンズオンラボ
プログラミングからデータサイエンスまで多岐にわたるコースを受講可能です。YouTubeチャンネルやポッドキャストを利用すれば、最新のITトレンドや技術に関する情報を無料で学べます。ただし、情報の質を見極める必要はあるので注意が必要です。
オンラインコミュニティやフォーラムに参加すれば、同じ学習者や専門家から直接的なアドバイスを得られる機会もあります。実技練習のためにハンズオンラボを使ってみたり、プログラミングスクールでスキルが上達しているかを試したりするのも良いです。
実践的なスキルを身につける
IT業界におけるキャリアアップには実践的なスキルの習得が不可欠です。オンラインの学習リソースを駆使して知識を深めた後は、実際に手を動かす経験も重要となります。実務経験を得るための具体的な方法は以下のとおりです。
- インターンシップやアルバイトで実務経験を積む
- プログラミングに関する実践的なトレーニングを受ける
- ペアプログラミングやコードレビューに参加する
- ハッカソンやコーディングコンテストに参加する
- 実際の問題を解決するためのミニプロジェクトを自主的に行う
- メンターやネットワークを通じて学びを深める
実際のプロジェクトへの参加は、リアルな職場環境で技術を適用し、協働する経験が得られます。ポートフォリオの構築もできれば、自分のスキルを示して潜在的な雇用主にアピールするのも可能です。市場からのフィードバックを獲得できる場所が理想的です。
方向性に迷ったら、メンターやプロフェッショナルのネットワークを利用しましょう。専門知識だけでなく、業界の最新動向に触れる機会がある可能性も高いです。経験を通じて、ITスキルをビジネスシーンで活かす力が身につき、キャリアパスを有意義なものにできます。
IT資格がキャリアへもたらす影響
IT資格がキャリアへもたらす影響は以下のとおりです。
- 継続的な学習意欲が育つ
- 就職や転職がしやすくなる
継続的な学習意欲が育つ
資格取得はキャリアに大きな影響を与える可能性があります。資格を取得すると専門知識が増えて、仕事の幅が広がるメリットもあります。より高度な業務に従事するチャンスを獲得できます。
高度な業務に従事した経験は、転職市場においても他の求職者との差別化につながります。より良い条件の職を見つける際に有利です。継続的な学習意欲が育つことで、キャリアの長期的な計画に役立ちます。業界の最新動向や技術変化への迅速な対応が可能になるでしょう。
資格取得の過程で出会う同分野のプロフェッショナルたちとのネットワーキングが増える場合もあります。新たなキャリアが育つきっかけにもなるので、継続した学習はおすすめです。
管理能力や自己肯定感の向上だけでなく、自身のモチベーション維持という精神面でのメリットもあります。リーダーシップを発揮するマネジメントのポジションに就く際にも重要です。国際的な資格を持つことで、グローバルなキャリアへの道を開く可能性もあります。
就職や転職がしやすくなる
IT資格は就職や転職において大きなアピールが可能です。未経験者でもITの知識があると証明できるため、多くの方が資格取得に励んでいます。資格保有者は、IT系の求人に応募する際に有利に働くことが多いです。給与交渉でも、自身の専門性が示せて価値の高い人材だと捉えられ、収入アップも期待できます。
» ITパスポートを履歴書に記載する方法
IT系の資格はテクノロジーの進化によって新しい資格が求められる傾向があり、継続的な学習がより一層重要となっています。高度な資格取得はキャリアアップにも役立ち、管理職や専門職への道を切り開ける可能性も高いです。実務経験と組み合わせることで、さらに市場価値を高められます。
転職市場では、IT資格を持つ候補者に特化したサービスを提供している転職エージェントや求人サイトがあります。資格が転職の際に強力な後押しになることは間違いありません。
IT資格取得後のステップアップ
IT資格を取得した後でも常に学び続けることが、より良いキャリアを築くうえで役立ちます。大別すると以下2つのステップアップ方法があります。
- 専門スキルを習得する
- 似た分野への挑戦をする
専門スキルを習得する
専門スキルを身につけるうえで資格取得は非常に有益です。資格は知識や技術が一定レベルに達していることを示すものです。キャリア形成において大きなメリットになります。具体的な資格試験は以下が挙げられます。
- プロジェクトマネージャ試験
- ITサービスマネージャ試験
- データベーススペシャリスト試験
- システムアーキテクト試験
- ネットワークスペシャリスト試験
- セキュリティスペシャリスト試験
- エンベデッドシステムスペシャリスト試験
- ITストラテジスト試験
- クラウドコンピューティングスペシャリスト試験
- AIスペシャリスト試験
上記の試験はITパスポートを土台にした専門的な資格です。どの試験も基本情報技術者試験に挑戦した後に臨むべき資格レベル。長期的に考えたときの選択肢としてチェックしておけば十分です。
» 基本情報技術者試験を徹底解説
似た分野への挑戦をする
似た分野への挑戦をするのも1つの手です。IT系と相性の良い分野は以下のとおりです。
- プログラミング関連の資格
- 小規模なプロジェクトやアプリの作成
- GitHubなどのプラットフォームでコードを管理
- フリーランスとしてプロジェクトに参画
- テックミートアップやカンファレンスに参加
- キャリアゴールに応じて特定の技術領域に特化
どれも短期で達成できるものではありませんが、挑戦する価値は高いです。IT人材は需要があるものの供給が少ない業界。収入も高く見込める職種が多いため、ぜひチャレンジしてみてください。
まとめ
ITパスポート試験の資格取得は、IT業界でのキャリア形成における最初のステップです。ITの基礎知識があると認められますが、より高度な上位資格を目指せると市場価値を高められます。
上位資格にチャレンジする場合、まずは情報セキュリティマネジメント試験からのチャレンジがおすすめです。専門的なスキルや知識を証明し、キャリアアップへとつなげられます。
学習計画を立て、ときにはオンライン学習を活用しながら実践的な経験を積みましょう。スキルアップに欠かせないプロセスです。高度な資格取得がキャリアに与える影響は大きく、就職や転職市場での競争力を高めるのに役立ちます。
最終的にはIT資格を取得することで、新しい技術分野への挑戦や、専門性の高いスキルを習得することが可能です。自身のキャリアをより豊かにするためにも、ぜひ挑戦してみてください。