【簡単解説】インターネットの仕組みと基本的な機能をわかりやすく解説!
インターネットは現代社会に欠かせない存在となり、生活に深く根付いています。スマートフォンやパソコンでのウェブ閲覧や動画視聴など、日常から切り離せない存在です。しかし、仕組みについて詳しく知る人は意外と少ないのが現状です。
この記事では、インターネットの仕組みについて主要な構成、構造、セキュリティなどを解説します。記事を読むと、インターネットについて理解できます。知識を身につけ、よりスマートにインターネットを使いこなしましょう。
インターネットとは世界中をつなぐ巨大なネットワーク
インターネットは、コンピューターの「間」に張り巡らされた「網目」という意味です。世界中のコンピューター同士をつないで、情報のやり取りができます。巨大なネットワークを通じて情報の閲覧や共有、通信が可能です。
インターネットについて以下を解説します。
- インターネットの歴史
- インターネットの重要性
- インターネットの送受信の仕組み
インターネットの歴史
インターネットの起源は1960年代にさかのぼります。当時、アメリカ国防総省が核攻撃に耐えられる通信システムの開発を目的として、ネットワークを構築しました。構築されたARPANET(アーパネット)が現代のインターネットの原型となっています。
1990年代にWorld Wide Web(WWW)が登場し、一般の人々もインターネットを利用できるようになりました。2000年代以降にはスマートフォンの登場により、インターネットは生活に欠かせないものとなりました。
インターネットの重要性
インターネットは、電気や水道、ガスと並ぶ重要なライフラインです。電子メールの送受信やウェブサイトの閲覧、ネットショッピング、動画視聴など、インターネットのサービスは数え切れません。普段使っているスマホやパソコンもインターネットがないと成立しません。
個人利用に加え、ビジネスや教育、医療などでも重要な役割を果たしています。インターネットの仕組みを理解すれば、より効果的な活用が可能です。
インターネットの送受信の仕組み
インターネット上でのデータ送受信は、パケット通信と呼ばれる方式で行われます。大きなデータを小さな「パケット」に分割して送信し、受信側で再構築します。1枚の写真をメールで送る場合、写真データは複数のパケットに分割されるイメージです。
各パケットには、送信元や送信先の情報(IPアドレス)が付加されます。手紙に宛名や差出人の住所を書くのと同じです。分割されたパケットは、それぞれ最適な経路を通って送信先に届きます。送信先ではパケットを元の順序に並べ替えて、元のデータを復元します。パケット通信により大容量のデータでも送受信が可能です。
インターネットの主要な構成要素
インターネットにおける主要な構成要素は以下のとおりです。
- IPアドレス:インターネット上の住所
- ドメイン名とDNSサーバー:インターネットの案内システム
- プロトコル:インターネットの共通言語
インターネットの仕組みは複雑ですが、構成要素を1つずつ紐解いていくことで理解できます。
IPアドレス:インターネット上の住所
IPアドレスは、インターネットに接続された各デバイスに割り当てられる固有の識別番号です。現実世界の住所のようなものです。「192.168.0.1」のような形式で表されます。
IPアドレスには、以下の2種類があります。
- IPv4:32ビットの数字で表現
- IPv6:128ビットの数字で表現
IPv4は現在最も広く使われていますが、利用可能なアドレスの枯渇が問題です。近年では、より多くのアドレスを提供できるIPv6への移行が進められています。
ドメイン名とDNSサーバー:インターネットの案内システム
ドメイン名とDNSサーバーはインターネットの案内システムとして機能します。ユーザーは複雑なIPアドレスを覚える必要なく、簡単にウェブサイトにアクセス可能です。インターネット上の通信にはIPアドレスが必要ですが、数字の羅列なので覚えにくいと言えます。
ドメイン名はIPアドレスに対応し、人間にとって覚えやすい名前です。「www.google.com」などがドメイン名にあたります。DNSサーバーは、ドメイン名とIPアドレスを紐づける役割を果たします。
ドメイン名とDNSサーバーはインターネットを使いやすくするために欠かせません。
プロトコル:インターネットの共通言語
プロトコルは、インターネット上でデータをやり取りするための共通言語です。異なるメーカーや機種のコンピューターでも、互いにコミュニケーションを取れるようにする重要な役割を果たしています。
主要なプロトコルには以下のようなものがあります。
- TCP/IP:データ転送の基本ルールとして使用
- HTTP:ウェブページの表示に使用
- SMTP:電子メールの送信に使用
- FTP:ファイル転送に使用
プロトコルは世界中の人々が英語を共通言語として使うことで、スムーズにコミュニケーションを取れるようなものです。
ウェブサイトへのアクセス過程
ウェブサイトにアクセスする際の通信過程は、以下のステップで行われます。
- 1.ユーザーがURLを入力
- ユーザーがブラウザにウェブサイトのアドレス(URL)を入力。「www.example.com」と入力すると、ブラウザはウェブサイトの情報を取得する準備をします。ウェブサイトへのアクセスにおける入口部分です。
- 2.ブラウザがDNSルックアップを実行
- ブラウザは入力されたドメイン名に対応するIPアドレスを見つけるため、DNSサーバーに問い合わせます。DNSサーバーは、名前(ドメイン)と電話番号(IPアドレス)を紐づける電話帳のような存在です。
- 3.TCPコネクションの確立
- IPアドレスを取得したブラウザは、ウェブサーバーとの通信を開始します。信頼性の高いデータ転送を行うため、TCPコネクションを確立します。電話をかける前に相手と接続を確認するようなものです。
- 4.データの送受信と表示
- コネクションが確立されると、ブラウザはウェブページのデータをリクエストします。サーバーはリクエストに応じてHTMLファイルや画像、スタイルシートなどのデータを送信します。ブラウザはデータの受信や解釈をすることにより、ユーザーに見やすい形で画面に表示することが可能です。
上記のように裏では複雑な仕組みが働いています。各ステップが協調して機能することで、世界中のウェブサイトを瞬時に閲覧可能です。ユーザーにとっては、URLを入力するだけで目的のウェブサイトが表示されるシンプルで便利な体験が実現されています。
ネットワークの構造
インターネットは、さまざまな規模のネットワークが相互に接続された巨大なシステムです。
ネットワークの構造として以下を解説します。
- LAN(Local Area Network)
- WAN(Wide Area Network)
- ルータとスイッチ
- ホームネットワーキング
ネットワークの構造を理解することで、インターネットの仕組みがより明確になります。
LAN(Local Area Network)
LANとは、限られた地域内でコンピューターや機器を接続するネットワークです。家庭やオフィスなど、比較的狭い範囲で使用されます。家庭内のWi-Fi接続や会社内のコンピューター接続、学校の教室内ネットワーク、小規模店舗のPOSシステムなどが一例です。
LANを使用することでファイルの共有やプリンターの共同利用など、限られた範囲内での効率的な情報のやり取りができます。
WAN(Wide Area Network)
WANとは、地理的に離れた場所にあるLANやその他のネットワークを接続する大規模なネットワークです。インターネット自体が最大規模のWANの一例といえます。
具体的な例は以下のとおりです。
- 企業の拠点間ネットワーク
- 政府機関の全国ネットワーク
- 大学間の研究ネットワーク
- インターネットサービスプロバイダのネットワーク
WANにより、遠隔地間でのデータ通信や情報共有が可能です。グローバルなコミュニケーションの基盤となっています。
ルータとスイッチ
ルータとスイッチは、ネットワークの中で重要な役割を果たす機器です。
ルータは、異なるネットワーク間でデータを転送する装置で、以下の役割があります。
- LANとWANの接続
- 最適な通信経路の選択
- インターネット接続
- ネットワークセキュリティの確保
スイッチは同一ネットワーク内でデータの転送を行う装置で、以下の役割を持ちます。
- 複数のデバイスの接続
- ネットワーク内のトラフィック管理
- データの効率的な転送
- ネットワークのセグメント化
ルータとスイッチの連携により、大規模なネットワークでも効率的なデータ通信が可能です。
ホームネットワーキング
ホームネットワーキングは、一般家庭内で複数のデバイスをつなぐ小規模なLANです。
以下のような要素で構成されます。
- ブロードバンドルータ
- Wi-Fiアクセスポイント
- パソコンやスマートフォン
- スマートホームデバイス
ホームネットワーキングにより、家庭内でのインターネット接続の共有、ファイルやプリンターの共有などが可能です。セキュリティ設定に注意を払い、安全で便利なネットワーク環境を構築することが重要です。ネットワークの構造を理解することで、日常生活やビジネスでのネットワーク利用をより効果的に行えます。
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インターネットのセキュリティ
インターネットの普及に伴い、セキュリティの重要性は高まる傾向です。
セキュリティについて以下を解説します。
- HTTPS:安全な通信プロトコル
- ファイアウォール:不正アクセスの防止
- 暗号化:データの保護
個人情報の保護やデータの安全な送受信のため、さまざまな技術が開発・導入されています。
HTTPS:安全な通信プロトコル
HTTPSは、HTTPの暗号化版で、ウェブサイトとブラウザ間の通信を安全に保つことが可能です。SSL/TLS暗号化を使用し、URLが「https://」で始まり、ブラウザにはロックアイコンが表示されます。逆に、暗号化されていないサイトは開かないようにしましょう。
HTTPSは、クレジットカード情報やログイン情報などの機密データを安全にやり取りすることが目的です。オンラインショッピングやインターネットバンキングなどのセキュリティが重要なサービスで広く採用されています。現在ではウェブサイト全般がHTTPSに標準対応しつつあります。
ファイアウォール:不正アクセスの防止
ファイアウォールは、ネットワークの境界に設置される防御システムです。内部ネットワークと外部ネットワーク間の通信を監視し、不正なアクセスを防ぎます。
主なファイアウォールの機能は以下のとおりです。
- パケットフィルタリング
- ステートフルインスペクション
- アプリケーションレベルゲートウェイ
- ネットワークアドレス変換(NAT)
ファイアウォールは家庭用ルーターに組み込まれているものから、企業向けの高度なアプライアンスまでさまざまな形態があります。適切に設定されたファイアウォールは、外部からの攻撃からネットワークを守る重要な役割を果たします。
暗号化:データの保護
暗号化とはデータを読めない形式に変換し、許可された者だけが復号できるようにする技術です。
主な暗号化は次のとおりです。
- 対称鍵暗号化
- 公開鍵暗号化
- ハッシュ関数
- エンドツーエンド暗号化
上記の技術は、インターネット上でのデータ送受信や保存されたデータの保護に広く使用されています。メッセージングアプリやクラウドストレージ、VPNなど多くのインターネットサービスなどが代表例です。適切な暗号化を行うことで、データの機密性と完全性を保てます。
近年も進化し続けているインターネットの新しい形
近年も進化し続けているインターネットの技術として以下を解説します。
- 5G:超高速モバイル通信
- IoT:モノのインターネット
- AI:インターネットの知能化
インターネット技術は日々進化しており、生活やビジネスに与える影響は大きいです。
5G:超高速モバイル通信
5Gは第5世代移動通信システムの略称で、現在の4Gを大きく上回る高速・大容量・低遅延の通信を実現します。
5Gの主な特徴は以下のとおりです。
- 最大20Gbpsの通信速度
- 1平方km当たり100万台の接続
- 1ミリ秒以下の低遅延
- 高信頼性と高可用性
5Gの普及によって自動運転車や遠隔医療、スマートシティなど実現が難しかった技術やサービスが実現可能です。モバイルデバイスの性能向上と相まって、インターネットの利用形態が大きく変わりつつあります。
IoT:モノのインターネット
IoTは、さまざまな「モノ」をインターネットに接続し、相互に通信させる技術として広く普及しています。家電や自動車、工場の機械など応用の範囲は広いです。従来はネットワークに接続されていなかったものがインターネットにつながり、新たな価値やサービスを生み出しています。
スマートホームやウェアラブルデバイス、スマート農業、産業用IoTなど、応用範囲は拡大中です。IoTの普及によって便利で効率的になる一方で、セキュリティやプライバシーの課題も浮上しています。
AI:インターネットの知能化
人工知能(AI)技術の発展により、インターネットはより賢く、より個人化されたものになりつつあります。機械学習やディープラーニングを活用することで、ユーザーの行動や好みを理解し、最適な情報やサービスの提供が可能です。
AIのインターネットへの応用例は以下のとおりです。
- パーソナライズド検索結果
- チャットボットによる顧客サポート
- コンテンツ推薦システム
- 自動翻訳サービス
AIによってインターネットはより便利になりますが、同時に倫理的な問題や個人情報の扱いに関する懸念も生じています。技術の発展と人間の価値観のバランスを取りながら、AIとインターネットの融合を進めていくことが必要です。
インターネットの課題と対策
インターネットは生活に多くの利便性をもたらしますが、同時に以下の課題も抱えています。
- プライバシー保護
- サイバーセキュリティ
- フェイクニュースと情報リテラシー
ユーザーがより安全にインターネットを利用するために、問題と対策を理解しておくことが重要です。
プライバシー保護
インターネット上でのプライバシー保護は重要な課題です。個人情報の収集や追跡が容易になったため、ユーザーのプライバシーが危険にさらされるリスクも高まっています。プライバシー保護の対策として、プライベートブラウジングモードの使用やVPNサービスの利用が推奨されています。
トラッキング防止ツールの導入やSNSの設定確認と管理の徹底も重要です。定期的に利用サービスのプライバシー設定を見直せば、不要な個人情報の共有を最小限に抑えられます。インターネットを利用する際は、常にプライバシーを意識する習慣を身につけましょう。
サイバーセキュリティ
サイバー攻撃の脅威は年々増大しており、個人や組織のデータを狙った攻撃が後を絶ちません。セキュリティ対策を怠ると、金銭的損失や個人情報の流出といった深刻な被害を受ける可能性があります。
主なサイバーセキュリティ対策は以下のとおりです。
- 強力なパスワードを使用し、適切に管理する
- 二段階認証を有効化する
- ソフトウェアを定期的に更新する
- 信頼できないリンクを開かない
上記の基本的な対策を実践することで、多くのサイバー攻撃から身を守れます。パスワードの管理には気を付け、同じパスワードを複数のサービスで使い回さないようにしましょう。
フェイクニュースと情報リテラシー
インターネットの普及により、誰もが情報を発信できるようになりました。一方で、虚偽や誤解を招く情報も急速に広がりやすくなっています。AIによるフェイクニュースの拡散は社会的混乱を招く恐れがあり、情報リテラシーの向上が求められています。
フェイクニュース対策として有効なのは、各情報源の信頼性を確認し、複数のメディアで情報を比較することです。SNSで情報を共有する前に、内容の真偽を確認する習慣を身につけましょう。情報をうのみにせず、批判的思考を持って接することが大切です。
まとめ
インターネットは現代社会に欠かせない存在となり、生活やビジネスに革命的な変化をもたらしました。複雑な技術の集合体であるインターネットですが、基本的な仕組みを理解することで効果的に活用できます。
インターネットは生活に深く根付いており、今後も重要性を増していくことは明らかです。基本的な仕組みを理解して、インターネットがもたらす恩恵を最大限に享受しましょう。
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